ヤギエルの日常 #68
2020/12/10
今日は趣向を変えて小説をお届けします。
※事実を基に書いておりますが、フィクションも含まれております。
「だから僕は続けていける」
第1話 だから僕は会社を辞めた
突然、未経験で風俗業界に転職を決めた。
前職では反りの合わない上司と何もわかっていない取締役に辟易しつつも、
自分がいなくなれば困る人たちがいると踏ん張って仕事を続けていたのに、
一つミスをすると評価は減点され続ける仕事内容にストレスを溜めて突然限界訪れた。
僕の仕事は社内SE。
基本的に経験者が起用されることが主で、
期待値100点満点での入社となる事が殆ど。
社内インフラの保守や、自社Webサーバーの構築、社内ヘルプデスクを一手に引き受け、
全て一人で行わなければならない環境だったためか、
日々積み重なるタスクリストに毎朝溜息をつきながら業務を開始していた。
そんな多忙が重なると勿論ミスは起こる。
チェックも基本全て一人の為、そこで漏れたら即アウトなのである。
大なり小なり、ミスはミス。
入社時100点満点の男の評価は減点され続けるのだ。
しかし、いくら減点が続こうが出来るのが自分しかいない為、
ミスをリカバリーする間も無くタスクは増え続けていく。
上司からの悪態を愛想笑いでかわし、周りの人達からは無茶ぶりをされる日々だったが、
それでも頑張らなければならない理由があった。
独り身のくせに家を購入したのだ。
これからこの自分の城を起点とし、色々と楽しむぞ!
それにはやはり維持費が必要だ!文句は言ってられない!
これからかっこいいマイハウスにしていくぞ!
と思っていた矢先の出来事だった。
朝起きて、朝飯食べて、シャワーを浴びて身支度を整え……。
朝のルーティンを淡々とこなし終え、
電車の時間までまだ時間があるので朝のニュースを眺めていると、
そろそろ出勤の時間が差し迫っているのにもかかわらず、身体が動かない。
意識として会社に向かわなければならないという意識があるにも拘らず、
その意識に反して身体が出発を拒んでいる感じというのだろうか。
それから刻一刻と家に居ながら就業開始時間が迫ってくる。
・・・
就業開始時間が過ぎた。
家に居ながら、すぐに家を出ることが出来る格好をしていながら、
僕は会社へ行かず未だにぼーっと朝のニュースを眺めていた。
人として、ダメになったと思った。
会社には就業時間大分過ぎてから体調不良のフリをして連絡をしたが、
罪悪感に苛まれ、その日は結局一日寝込むことになった。
こんな日が続き‥‥‥
そして、僕は会社を辞めた。
会社には申し訳ない気持ちで胸が押しつぶされるような気持ちだったが、
積み重なるタスクと上司達から解放され、心がスッと軽くなる感覚を覚えた。
残ったのは貯まってない僅かな貯金と住宅ローンを組んだばかりの家。
どうすればお金を工面できるか……。
トラックの運転手?それとも同じようなSEのお仕事とか……。
そこでふと本棚に目をやると、
友人から貰った風俗起業の本に目が留まった。
そうだ、起業しよう。
こうして、僕は風俗業界に足を踏み入れる決意を決めた。
・
・
・
次回、第2話 だから僕はこの会社に決めた
お楽しみに!
以上、本日はここまで!
それではまた来週!CHAO!!
comment
コメントを送る。